Blog
« 散歩日和 | TOP | 事件は子供がらみばかり »

2006年11月06日

大事な友達から仕事の上での悩み相談を受けました

僕が大事におもっているある大企業の知財に勤務する方が、仕事で、特に今後の経験に関して悩み、相談を受けました。研究所への異動がプラスになるかどうか、また知財から法務への異動に関連してのものです。このブログを読んでくれているOBOGの諸君にも役立つかもしれないので、少し一般論に変えて以下にアドバイスした内容を書きます。

僕の持論では、専門を特化して知財にいるかどうかは、5年、あるいは10年後の自分の計画と密接にリンクしています。どっちでも大した差はありません。どこに行っても自分のやるべきことや期待されていることは、一年で結果を出すということ、あるいは一年で確たる可能性を提示することが重要だからです。長い目でどっちがよいかというのは会社の上司に示されることではなく、「将来へのキャリアパスとしてどっちに行きたいか?」という自問自答の問題です。

一般論では法務全般を学ぶことは大事です。が、今は一年から1年半の期間で研究所において知財、ライセンス関連の要点をマスターすることのほうが大事だろうと思います。その一年半でこれまでの会社での経験を確たる自信にすることが将来もっとも役立つのではないかと考えられます。ライセンス契約は僕も日々担当していますが、会社の場合には、コアな技術をライセンスする立場にある部署(研究所の技術のライセンス)において自分の関連会社へのライセンスを内容あるものに昇華するため一時的に研究所に行くのは賛成です。必ず役立ちますし自信になります。また会社は他社のソフトや技術をライセンスされる立場にもありますので、ライセンシーとしての立場を理解するうえでも賛成です。

研究所では法務の勉強と経験も同時に積まなくてはいけません。そしてそれをアピールしなくてはいけません。どんなことでも、「自分ノート」を作成して、成果を目に見える形で積み上げておくことです。これは自分の知識を明示的に蓄積することにもなり、見直すと勉強になります。テーマごとに簡潔に、気分は教授になって教える講義ノートとして目次や内容を整理しておくことです。具体的には、
1回分の講義資料の目安:A4で概要1枚、内容3-4枚、添付資料、法文のコピー、判例のコピーを一式として管理します。

そのときに頭に入れてほしいのは、法体系を書き、公法私法別の区分けをして、民法の契約に落とし込むという作業です。会社が直面している法律問題は、外為法や輸出貿易管理関連法に至るまで、ほぼ全域があてはまります。知財は一部なので、下積み時代に全法律情報を整理しておくことです。知財、契約一般、ライセンス関連法、独禁法、消費者関連法、合弁関連法、ダンピングなどのWTO法関連、労働法、雇用機会均等法、会社法一般、株主関連法、などに分けます。

そして何より大事なのはWTOという国際公法のフレームワークの中に今後会社がいかに重要な法律を数多く見出すべきかを肝に銘じることです。具体的には、TRIPS, ダンピング、原産地、投資関連、FTAなどの動きです。そしてそれらをすべて私法、つまり企業への直接的影響として、把握することです。このロジックが今後は大事になります。

明確に目標をもたないと時間が無駄になります。5年後に自分は助教授になっているのだという気持ちで仕事とその整理を日々行うことが大事です。

以上のようなアドバイスをしました。法務や知財という部署は特殊ですね。専門的ですが自分の実力やキャリアアップには大いに役立つ部署でもあります。頑張って楽しんでください。

2006年11月06日 01:11

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kazuhito.biz/cgi/mt/mt-tb.cgi/220

コメントを投稿